2013年7月23日火曜日

「夜回り先生、いのちの授業」

 毎年7月は「社会を明るくする運動」の強化月間であり、この運動は「すべての国民が犯罪防止と罪を犯した人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、犯罪や非行のない明るい社会を築こうとする全国的な運動」です。そこで邑楽町ではその運動の一環として、夜回り先生として有名な「水谷修」先生を講師としてお呼びし講演会を開催しました。
 水谷先生は、「夜回り」と呼ばれる深夜の繁華街パトロールを通じて若者たちと触れ合い、更生と非行防止、薬物汚染拡大防止活動を精力的に行っています。また、全国各地からのメールや電話による子どもたちからの相談に答えるとともに、専門誌や新聞、テレビ等への出演、そして今回のような講演を日本各地で行っています。
 さて、そんな水谷先生の講演ですが、90分という限りあるなかで非常に内容の濃い話となりました。経験談を踏まえた講演内容であったことも相まって、感動し涙する人もいるほどでした。一方で、思わず笑ってしまうような場面もあり、人を惹き付ける講演でした。実際に水谷先生が関わった子どもの中には、昼の世界に戻れなくなり、夜の世界に生きるしかない若者が多くいます。薬物乱用により精神不安定なるケースだけでなく、身体を売って最終的にエイズに感染・発症し、苦しみながら最期を迎える様子を見届けることもあるそうです。最近は繁華街を出歩く若者だけでなく、自宅で眠らず、ひたすら自傷行為、いわゆるリストカットを行う若者が増えており、新たな問題に取組んでいるとのことです。しかし水谷先生は言います。「子どもが悪いのではない。大人の責任であり、恥である」と。親に阻害され、傷つき居場所を失い、結果、夜の街に流れていく。この連鎖は防ぐことが出来き、それはたくさん“褒める”ことにあると先生は言います。夫婦や親子、他人に至るまで“褒める”ことの重要性を訴えていました。
 長くなりましたが、今回、「夜回り先生、いのちの授業」をテーマに水谷修先生に講演していただき、改めて考えさせられる内容で有意義な90分間となりました。最後に、講演会の中で印象に残った言葉を私の解釈を含め、一つ紹介します。それは、「他人のしあわせを考えるなら、その前に自分がしあわせであれ!」です。私の中で、心に響いた素晴らしい言葉となりました。   (S.K)


2013年7月16日火曜日

いよいよ初任者研修の開始

 明日から大泉、千代田、邑楽の3町社協主催による「介護職員初任者研修」がスタートします。昨年まで「ホームヘルパー2級課程」と言っていたものが、制度を変えて再スタートするというものです。内容は、今まで同様ではありますが、ステップ先として「実務者研修」が用意されています。
 最近は、介護職の人気が芳しくなく、どちらかといえば不人気な状態が続いています。この講座も蓋を開けてみたところ、総勢24名ということです。(定員は40名ですから、不人気なのは一目瞭然‥)でも、希望に燃えて学ぼうとする人たちを大切にして講習を進めていきたいと思います。みなさん、頑張りましょう!
 私の担当は初日「職務の理解」です(テキストのページ数は少ないのに6時間持たせなきゃならないのが厳しいところですね)。

 さて、実は明日は水谷先生の講演の日でもあります。保護司さんたちが中心となって準備をしていますが、お陰さまで定員をはるかに超える問合せを頂きました。残念ながら、講義のため明日の講演を聴くことができませんが、いいお話を期待したいと思います。 堀
 
 

2013年7月4日木曜日

暑い夏にご用心!

 いよいよ7月になりました。梅雨明けも間近とは思うのですが、天気図を見ると少しだけその様子が伺えるようになりました。明けては欲しいけど、あの暑さはやはりつらいですよね。

 さて、参議院議員選挙もいよいよ本番です。個人的には基本的人権を制限しようとする憲法改正論議が一番の関心ごとですが(=今の改正案は問題だらけと考えています)、もう一つ気になることがあります。それはTPPというものです。農協などが反対する農業の衰退だけでなく、医療の後退が気になります。

 日本医師会などが反対している理由を正確に理解している人たちは少ないのではないでしょうか。医師会によると公的保険制度を持たないアメリカの医療産業が日本の公的保険制度を破壊すると主張しています。この中身は実は次のような理由によるのです。
 協定契約の中心となる相手国、アメリカには合衆国憲法がありますが、自由権の徹底した記述はあるものの、近代憲法に必須の社会権については余り触れられていない状況があるのです。社会権とは、日本国憲法でいう 生存権、教育権、労働交渉権や団結権などに代表されるものです。つまり、社会権の認識の弱いアメリカには日本の公的医療制度は理解できないものなのです。だからアメリカにはいまだに民間の医療保険だけで公的保険制度は存在してないのです。(オバマ政権はそのアメリカの弱点とも言うべき医療保険の創設を公約の一つにしていますが、多くの反対にあって暗礁に乗り上げていますね)
 もしTPPで聖域なき交渉を行うとすれば、日本の宝である医療保険制度はなし崩し的に崩壊しかねません。結局馬鹿を見るのは低所得者層であり、貧富の差が拡大した日本における大多数の国民が高度医療を受けられない未来が身近に迫ることになります。それは恐ろしいことですよね。福祉に従事するものとして、危惧せざるを得ませんね。

 皆さんもいろいろ調べて考えてみてください。 堀